掛時計の裏面には、腕時計の革ベルトを製作する過程ででる副産物の「床革(とこがわ)」を使用したカバーが付いております。
革素材は通常2〜3mmの厚みがありますが、厚すぎると使えないので薄くする加工をします。その際、表面をはいだ残りの部分が「床革」です。
ザラザラした質感で、表面の革に比べ耐久性も劣るため、廃棄することも多い素材ですが、できるだけ無駄なく有効活用したいという思いから、裏面のカバーにしました。
掛時計として使用する際に裏面を見ることはほとんどありませんが、カバーで機械を包み込むことで内部のかすかな音を吸収し、静かな環境でも秒針の音が聞こえることはまずありません。
なお、上記のようにカバーにオリジナル刻印を入れる際は、刻印内容がはっきりとわかるようにするため、「床革」ではなく滑らかな表面の「本革」を使用いたします。