はなもっこ　白雨(はくう)　レディース　ゴールド

※夏季限定商品（8月6日までの限定販売です）

夏の夕方、突然の夕立の様子を描いた、歌川広重の浮世絵「大はしあたけの夕立」。そこに描かれた雨の線描を忠実にトレースし、文字盤にあしらいました。

原画は藍や墨を使用した絵具で刷られていますが、この文字盤では、アズライトという鉱物を砕いて作った岩絵具（白群青※）の上に、金箔（定色※）や銀箔で雨を描きました。 淡いブルーグレーのベースに銀や金の雨が繊細に光り輝き、見る角度によって印象が移ろいます。

古来、日本人は雨を天からの恵みとして捉え、その時々の季節とともに雨を慈しみ、敬い、楽しんできました。現代では何かと鬱陶しがられる雨ですが、古来のそうした大らかな感覚を少し思い起こさせる腕時計です。

商品名の「白雨（はくう）」は夕立のこと。明るい空からキラキラと降り注ぐ雨を表す言葉です。 原画の浮世絵は夕立の情景を描いたものであり、金箔・銀箔の雨の表情にピッタリですので、そのように名付けました。

驟雨、涙雨、時雨など、雨を表す日本語はその降り方によって400を超えると言われています。 降り方の微細な違いまでも表したいという、そうした強い思いは、いかに日々の生活のなかで雨が大切だったかを物語っているように感じます。

※白群青（びゃくぐんじょう）
岩絵具は荒く砕くと濃い色に、細かく砕くと淡い色になる特性があります。この文字盤に使用した白群青の原石は、「こないろ 群青」として販売している鮮やかな青色と同じアズライト（和名：藍銅鉱）。 細かさを変えることで、原石が同じとは思えないほど違う色になります。

※金箔 定色（さだいろ）
金箔は純度100％のものだけではなく、銀や銅が混ざったものもあり、用途に合わせて使い分けられます。 今回雨を描くのに使ったのは定色という種類の金箔。おおよそ金が59％、銀が41％の合金を箔にしたものです。銀の雨と馴染むように、銀色に近い金箔を使用しました。